画面の色合いと

僕は、画面の色合いと衣装や風俗の魅力、そして(きっとCGを使っているであろう)あっけにとられるような構図や視点を楽しみました。
だから“この映画は何を言おうとしているのか”などという文芸批評の真似事は、この映画に関して無意味です。いや実は、文芸批評の真似事が映画評論であると、戦後長く信じられてきました。言葉で映画を語るとき、文芸批評の真似をすれば、それなりに格好がつくからそれに倣っただけで、映画批評は本来“映画にとって美とは何か”を映像論から組み上げたうえで語るべきものです。それをやってこなかった人間(僕を含む)は大反省しないといけない。